言語の習得に必要な技能
英語の学習には4つの技能が必要です。
- 読む
- 聞く
- 書く
- 話す
これらは関係性があり、満遍なく学習に当てることでそれぞれの能力が上がっていきます。
耳で聞いたことをノートに書き写す、書いた文章を読んだり人に話すことで、言葉を覚えます。
最初は見るもの聞くもの全ての言葉が分からない状態ですが、学習を進めていく内に少しずつ単語の意味や使い方、単語同士の繋がりを理解します。
そして、英語を学ぶ時間が増えるほど、習熟度は増えていきます。
日常会話レベルに必要な学習時間
言語の学習には、母国語と学習する言語がどのくらい離れているかによって日常レベルの言語習得に必要な学習時間が変わります。
アメリカ人を例に取り、他の言語と習得に必要な学習時間を見てみます。
グループ名 | 言語 | 平均学習時間 |
第1グループ | フランス語、ドイツ語、スペイン語 | 480時間 |
第2グループ | ギリシャ語、ヒンズー語、インドネシア語 | 729時間 |
第3グループ | ロシア語、ヘブライ語、トルコ語 | 1,329時間 |
第4グループ | 日本語、中国語、朝鮮語、アラビア語 | 2,760時間 |
アメリカ人では、日本語は語源的に最も遠くに位置しており、習得にも時間が掛かります。
日本人が英語を学習するときにも同様に時間が掛かるとされています。
日本人が英語を話せない理由
日本人が英語を話せないのは、単純に英語を接する機会が少ないためです。
日本の学校では中学・高校で約800時間弱、英語の学習に費やしています。
2020年から英語教育が小学3年生から始まり、小学3~4年生で「外国語活動」という体験型の英語学習が年間35コマ、小学5~6年生で必修になり年間70コマ設定されます。
小学校の学習時間を加えたしても約1,000時間弱です。
トータルで小学校~高校まで1,000時間弱しか学習しないので、1,000時間分の習熟度しか付きません。
外国語の学習・教授・評価のための国際基準「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR: Common European Framework of Reference for Languages)(通称 セファール)」では、言語力をA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階で示しています。
学習時間1,000時間で話せる英語のレベルは、CEFRのA1~A2で基本的な会話レベルです。
日本政府は、中学生ではA1レベル相当以上、高校生ではA2レベル相当以上を全体の50%以上にするという目標を掲げていますが、いまだに到達できていません。
まとめ
日本人が小学校から高校生までの学校教育で英語を学習しただけでは基本的な会話レベルにしかなりません。
日常会話レベルにまで上げようとするなら、学校教育以外で英語に触れる機会を残り1,760時間設けなければいけません。
子供に対して英会話教室の習い事や留学をさせるなどお金に余裕がある家庭とそうでない家庭で英語教育のレベルに差が出てくると考えられます。